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2004.08.29

こころの時代〜宗教・人生 「優劣のかなたに」 大村 はま

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 オリンピックでも見ようかと、早朝テレビをつけると、なんとそこには、我が恩師大村はま先生のお顔が。先日の講演の中で、ずいぶん大村先生のお言葉やら実践を引用させていただいたのですが、こういうタイミングで、久しぶりに元気なお姿を拝見できるとは。この番組はどうも今年の1月に放送されたものらしく、私は見落としていたのでした。しかし、ほとんど偶然、こうしてこんな時間に全て見ることができたことには、なにか運命的なものを感じずにはいられません。今年98歳になられると記憶していますが、なにしろ矍鑠としておられました。四半世紀前と全くお変わりのないお姿とお言葉に、思わず涙してしまいした。
 私にとっての「師」とは、まさにこの人です。今日また再確認しました。思わず正座して師の言葉に耳を傾けている自分がそこにいたのです。私が講演で引用させていただいた「仏様の指」のお話。御本人も師と仰ぐ方から聞き受けたとのことですが、それが大村先生によって私に受け継がれ、そして私がそれを若い先生たちの前で披露したわけで、なるほど教育というのはこのように綿々と命を継いでいくものなのだなあ、と感じ入りました。もちろん、私はそんなたいそうな使命を全うできるほどの人間ではありませんが。
 私も先生として、そろそろ充実期を迎えるべき年齢となりました。もう一度、師に教えを乞おうかと思いました。

追記 大村はま先生は、平成17年4月17日にお亡くなりになりました。心からご冥福をお祈りいたします。なお、先生の残された最後の詩「優劣のかなたに」をこちらに紹介させていただきました。どうぞお読み下さい。

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コメント

先生の、大村はま先生の記事を見たおかげで、私も恩師とその奥様のことをじっくりと思い出すことができました。(恩師はもう亡くなられましたが。)
若かった当時より、今の方がそのありがたさを感じます。
年をとるというのは、結構いいことなんですね(^^)
「仏様の指」のお話、とても知りたいです。是非教えていただけるとうれしいです。(どこかの記事で紹介されていますか?)

投稿: カズ | 2007.02.05 04:08

カズさん、おはようございます。
大村先生に出会えたのは本当に幸運なことでした。
私はつくづく人との出会いに恵まれていると思います。
仏様の指の話は次のような内容です。

「教えるということ」より抜粋

−仏様の指−
 仏様がある時,道端に立っていらっしゃると,一人の男が荷物をいっぱい積んだ車を引いて通りかかった。そこはたいへんなぬかるみであった。
 車は,そのぬかるみにはまってしまって,男は懸命に引くけれども,車は動こうともしない。男は汗びっしょりになって苦しんでいる。いつまでたっても,どうしても車は抜けない。
 その時,仏様は,しばらく男のようすを見ていらっしゃいましたが,ちょっと指でその車におふれになった。
 その瞬間,車はすっとぬかるみから抜けて,からからと男は引いていってしまった。

 この話は、大村先生の恩師である奥田正造先生が、大村先生が若い時に語ってくれたものだとのことです。
 それを受けて、大村先生は「こういうのがほんとうの一級の教師なんだ。男はみ仏の指の力にあずかったことを永遠に知らない。自分が努力して,ついに引き得たという自信と喜びとで,その車を引いていったのだ」と書かれています。

 我々教師、あるいは親にとって、まさに至言ですね。説明も何もいらないと思います。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.02.05 08:00

仏様の指のお話、ありがとうございました。
仏様や理想の先生や親のようには、なかなかなれるものでは無いですね!私はこの話を、指をそっと触れる先生側の立場に立って想像するまでに時間がかかり、しばらくてこずりました(>_<)
どうしても後押ししてもらった生徒側に気持ちを重ねてしまって。
頑張っていたら誰かが手を貸してくれた・・という事実を、振り返って知りたい!という感情ばかりが前に出て、しばらくこの話の本来の意味からずれていました。
先生や親からすれば、こういうことなんですね!
そんなふうに思って応援してもらえるなんて、ますますありがたいことだと思いました。すごいなぁ、はま先生は。
いかん、こんな表現の仕方では軽すぎて、はま先生に申し訳ないですね。すみません。
もっと成長して、大人になりたいものです。。
大切なお話を教えていただいて、ありがとうございました。
ではでは失礼します(^~^)

投稿: カズ | 2007.02.06 21:33

カズさん、どうもです。
なるほど、生徒の立場で考える方が自然かもしれませんね。
私も先生という立場でありながら、実際は背中を押してもらうことの方が多いんですよ。
でも、結局みんなお互い様なんでしょう。
押したつもりがなくても押してたり、押してもらうつもりが実は押してたりとかね。
そんなふうに出来てるんでしょう。
だから自然にやってればいいんですよ。
一番いけないのは「押してやった」って主張したり、感謝されたいって思うことなんですね。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.02.06 21:51

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