『知の編集術』 松岡正剛 (講談社現代新書)

松岡さんは私の目標とすべき人です。すべき、と書いたのは、今はしていないからです。すべきだと、もう十年以上前から思っているのに。
その理由はたぶん、「編集工学」というネーミングに、生理的に違和感を感じるからだと思います。氏はまさに「古今東西」「硬軟聖俗」の碩学ですし、氏の「編集」観は私の人生に大きな影響を与えてきました。しかし、なんででしょうねえ。この違和感。売ってるものは魅力的なのに、店のネーミングが今一つ、って感じでしょうか。たぶん世界で唯一のお店だと思います。市民権を得ない理由というのがあるわけです。
しかし、氏がこのネーミングにこだわる理由は、そのこだわるという編集行為自体にあるのだと感じます。こだわることによって生まれる個性、その個性の形を借りて、一般に埋もれた真理が浮上する。それを狙っているのだと思います。氏の個性的な学問する姿勢…いや、遊ぶ姿勢こそが、新しいジャンル「編集工学」なのでしょう。唯一無二の存在として、違和感を感じつつも尊敬してやみません。
早朝この本を読んでいたら、ちょうどテレビで、NHK人間講座〜おもかげの国うつろいの国…日本の「編集文化」を考える、をやっていました。相変わらずの見事な編集ぶりで、新しい意味、新しい価値の創造をなさっていました。つくづく、すごい人です。
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