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2004.06.30

ジャック・レモン遺作 『モリー先生との火曜日』

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 絶対泣けるよ、と生徒にすすめられ見てみました。なるほどいい内容のドラマですね。
 テレビ映画ですので、劇場映画よりもある意味展開に無駄がなく、最初から引き込まれました。実話に基づいているということで、どこかしらドキュメンタリータッチでもあり、そこが私の感性にしっくり来たようです。
 一応先生という仕事をしている私ですが、先生としての自分を重ね合わせるということはありませんでした。どちらかというと、恩師や恩人に連絡をとらず、失礼を重ねる人間としての自分に恥じ入りました。実際、私の場合はミッチとは違い、もう二度とお会いできなくなってしまった恩師、恩人が何人かいます。後悔というより情けない限りですね。
 昨年夏亡くなった私の祖父の時もそうでした。忙しさにかまけてお見舞いをせず、明後日行こうかと決心したその日に帰らぬ人となってしまいました。祖父は本当にモリー先生のような素晴らしい先生でした。私が死んでも、あんなに何百人も教え子たちが集まらないでしょう。いや、祖父の家は、生前から来客が絶えませんでした。私の目標であり、憧れの人です。
 さて、モリー先生についてですが、彼の言葉は仏教的な色合いが濃いと感じましたね。死に方が分かれば、生き方が分かる。波と海の話。肩の上の鳥の話。アメリカ人にはどのように理解されたのでしょうか。

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2004.06.29

HITOKI 『Franchise』

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 昔、黒夢のベーシストだったHITOKIの唯一のアルバムです。
 これは逆説的な意味でおススメです。心に、記憶に残る、いや、体に刻み込まれるという意味では、確かにすごすきる。
 6年前、車内のFMラジオから、このアルバムの曲が流れた瞬間、私と妻は唖然呆然、まさに開いた口がふさがらなかったのです。実は最初、どっかの高校生バンドのデモテープでも流してるのかな?それにしてもひどいなあ、などと二人で話していたのです。そうしたら、HITOKI 御本人の声で「僕のアルバムから○○を聞いてもらいました」とか言うじゃないですか。そりゃ口も開いたままになりますよ。ひどいんです。歌と歌詞と楽曲が!!御本人さん、そして、ファンのみなさん、ごめんなさい!しかし、本当だから仕方ありません。ウソだと思ったら実際聞いてみて下さい。
 で、ずっと気になってたんですが、昨日220円で手に入れました。そして、全曲聞きました。口がしまらなくなっただけでなく、眠れなくなりました。すごすぎです。ある意味、日本の音楽史に残るでしょう。
 ちなみに共演者はすごいですよ。佐久間正英!(BOOWY/ブルーハーツ/筋少/ジュディマリ/黒夢/GLAY/エレカシ/ヒスブルなどのプロデューサー)、そうる透!(言うまでもないドラムの神様)ですから。苦笑する二人の顔が目に浮かびます。(ホントごめんなさい!!)

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2004.06.28

『ファンシイ・ダンス』 周防正行監督作品

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 私の大好きな映画です。今日1年ぶりに見ました。
 周防監督の作品は、いわゆる成人映画時代から注目しておりました。これは1989年記念すべきメジャー第1作として世に出した逸品です。成人映画時代にも、小津安二郎監督のパロディを随所に見せていた周防さんですが、この作品も小津調満載です。原作は今やマンガ界のカリスマ的存在、「陰陽師」でついには手塚治虫文化賞までとってしまった岡野玲子さんの傑作マンガです。明るく軽い寺の息子が、浮雲山明軽寺(!)でドタバタ修行生活を送りつつ、成長していく物語ですが、原作の岡野さんに劣らず、周防監督も実際のお寺ライフを取材し、それをリアルに再現しています。あまりのリアルさに曹洞宗からクレームがつき、公開が遅れたといういわく付きの作品でもあります。
 出演者たちの演技もいいですね。のちの周防組のメンバーがすでに勢ぞろいの感がありますが、特にモックンの法衣姿、立ち姿の美しさは秀逸です。竹中直人さんは、小津調という演出の中で、ある意味本来の演技ができずにいるわけですが、それがまたいい味を醸しています。どちらかというと田口浩正さんの方が、竹中さんのお株を奪っちゃってますね。怪演です。
 周防監督の新作を早く見たいですねえ。

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2004.06.27

まきばの駅 『富士ミルクランド』

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 今日娘たちと行ってきました。なんだかんだ言って、月に一度は訪れています。娘たちはもちろん、私もお気に入りのスポットなので、ヒマな休日には、私の方から「ミルクランド行くか」と提案します。
 富士山麓にはいろいろな観光スポットがありますが、ここはかなり渋い方に分類されると思いますね。地味です。そこがいいんですよ。落ち着きます。基本的には、牛やら、羊やら、ヤギやらとふれ合うことができるだけです。それだけでしたらタダですし。もちろん、おいしいジェラートや、有機野菜、特製チーズや牛乳を販売する施設もありますが、そちらには行かなくても、娘たちは満足していましたから、本当に安上がりです。
 ポイントは、車を一般の駐車場に停めず、その隣、だだっぴろい草地の臨時駐車場に停めることです。そこはふれあい広場に隣接していますから、売店の方を通らずにそのまま30秒で動物とご対面できます。というか、昨日なんかその草原にはウチの車が一台と、私たち家族3人、そして広場から抜け出してきたウサギが一匹しかいませんでしたから。 得した気分でした。
 それにしても、ここを経営している富士開拓農協さん、富士の溶岩台地を開拓するだけでも大変でしたが、例のオウムの一件でも、本当に信じられないような苦労をされました。そんなことを思うと、何か応援してあげたくなりますね。オウムの本部跡はミルクランドの臨時駐車場の一つになっています。

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2004.06.26

窪寺 昭(セーラームーン クンツァイト役)

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 さて、以前このコーナーでおススメした「実写版セーラームーン」ですが、ここ数回、エンディングへ向けて一気にストーリーが急展開しております。そんな中、私と家内の間でブームになっている出演者がいます。それが、クンツァイト役の窪寺昭さんです。特に今日放送分での彼の演技は秀逸でした。途中挿入された、マスターとの回想シーン、あっぱれでしたね。声の調子と表情で(まあいわゆる役者の表現手段はほとんどその二つですが)、マスターとの人間関係を実に巧みに表現していました。
 調べてみると、彼は劇団AND ENDLESSに所属する舞台俳優さんだそうで、なるほど上手なはずですが、舞台俳優さんならテレビドラマでうまいと言われるかというと、全然そうではないですよね。彼は確実な演技力と不思議な存在感を持っていますので、今後舞台だけでなく、テレビや映画などでも活躍しそうな予感がします。
 それにしても、このセーラームーン、基本的な演技やセリフ回しが出来ない人ばかりで参りますね。まあ、予算の関係やら、新人育成のためやら、いろいろ理由はあるのでしょうが、みんなあんまり下手なので、窪寺昭さんと杉本彩様の存在だけが異様に突出していて、実におもしろいことになっちゃっています。

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2004.06.25

『知識の泉』 全16巻 (同朋舎出版)

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 これは伝説の本です。昨年やっと新品の状態で手に入れました。読む本であると同時に作っていく本であるので、中古ではほとんどその価値が失われてしまいます。だから、新品で手に入れなければならなかったのです。
 同朋舎出版が倒産してからというもの新品の入手が非常に困難になっていました。ある別の出版社が在庫を手に入れ、それを格安で販売してくれたおかげで、今ここにあるのです。
 それにしても、世の中にこんな素晴らしい本の世界があるとは、実際に手にするまで知りませんでした。基本的には一種の事典のような構成なのですが、表紙から始まって、それぞれのページに実に面白い仕掛けがしてあります。ですから、表紙を開けば、必ず最後までページを繰らずにはいられません。
 もともとイタリアで出版されたもので、本国では今でも絶大な人気と評価を得ているらしいのですが、この日本版、製本にあまりに手間とお金がかかったため、採算が合わなかったと聞いています。定価は一冊2200円ですが、たしかにそれ以上の労力と価値が詰まっていますね。
 子どものために買ったつもりが、今や、子どもが手荒に扱おうものなら私の怒号が鳴り響く、といった具合になっています。もう1セット買っておけばよかったと後悔しています。

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2004.06.24

『十句観音経入門』 ひろさちや (GOMA BOOKS)

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 6月8日にもひろさんの本を紹介しましたね。今日はこの本を1時間ほどで一気に読んでしまいました。
 実はこの本、今から16年くらい前に買ったものです。当時、今の職場の新人だった私は、毎日夕方に唱えるこのお経の意味を知りたくて、この本を買ったのでした。般若心経もそうだったのですが、私はお経というものを音から暗記するのが苦手で、どうしても意味から(つまり漢文として)覚えないとダメなのです。ですから、当時の私にとって、この本はそういう実用的な価値があったのだと思います。そして、今年16年ぶりにこの本が地下室からこの世に生還しました。職場の勉強熱心な新人に読んでもらうためです。
 で、彼に貸す前に自分も久しぶりに読んでみたのでした。そうしたら、う〜ん、引き込まれる、引き込まれる。この十句観音経は、観音経のエッセンスをたった十句42文字にまとめたものなのですが、ひろさんは、この42文字をめぐって200ページ以上の文章を書き上げています。その内容は、ひろさんの他の著作と同様、専門的な解釈、知識よりも、身近な体験談、見聞、エピソードを中心としており、私のような素人でも、壮大な観音経の世界に力むことなく触れられるようになっています。
 ひろさんは、現代の仏教説話テラーとして重要な仕事をしてると思いますよ。いろいろ言う人もいるみたいですが。それにしても、この名著が絶版とは淋しい限りです。

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2004.06.23

Freeway Express 3.5

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 私のサイト、いったいどんなソフトで作っているのだろう、と思った方もいらっしゃるのでは。私はMac使いですから、Mac用のソフトを使っています。Mac用のホームページ作成ソフトというのは、ご存知の通りあまりありません。低価格で初心者でも使えるというのは、実はこのFreeway Expressしかないんですよ。しかし、それがたまたま私の好みにピッタリだったわけです。
 私はGo Liveも使ったことがありますが、断然Freeway Expressです。つまり、人と違ったサイトを作りたい人にはおススメということです。まず、私は縦書き派なので、画像文字として縦書きが瞬時にできる(それも後で編集可!)ということは、何よりの魅力です。Photoshopで透過縦書き画像を作ることを考えるだけでもゾッとしますよね。また、全体の使用感や外観が某DTPソフトと似ているというのもうれしい限りです。
 ホームページ作成とは言っても、やはりpublishingですから、某Windows用ソフトのように軽い雰囲気はダメダメです。もちろん、設計自体が古いので、いろいろ不備な点や不都合な点もありますが、私にとっては本当に良きパートナーです。
 ちなみにお値段は、ダウンロード販売で税込み12800円でした。お買い得です。

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2004.06.22

プロジェクトX 「男たちの復活戦」デジタルカメラに賭ける

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 本放送を見逃していたので、楽しみにしていました。
 前にも書きましたが、初めて買ったデジカメはQV-10でした。カシオというメーカーはエポックメイキングなことをするのが得意です。その中でも特に私の印象に残っているのは、このデジカメとサンプリング音源搭載キーボードの低価格化ですね。前者は500万円以上していたものを実売価格5万円台に、後者は1500万円以上していたものを1万円台(!)にと、超超価格破壊を実現しました。それがその後の普及を促したのは言うまでもありません。そういう革命家魂みたいなのがある個性的な会社ですね。たぶん樫尾社長の性格だと思いますが。そして、革命を起こしておいて、他のメーカーにその後の主流は持っていかれる、というところがまたいいですね。
 ところで、右の写真はウチの地下室にあったカシオのカメラたちです。右はもちろんQV-10ですね。今でも充分使えます。あらためて名機だと思います。
 さて、その左側のでっかいのはいったい何でしょう?そうです。今日の放送の中でも投げ売りされていた「電子カメラ」VS-101です。私もあやしさにひかれて9割引で買っていたのでした。アナログならではの画質(まるで印象派の絵画のように幻想的でした)と連続再生の機能(パタパタ動画が楽しめる)は、とても魅力的でしたね。最新のデジカメにない味がありました。

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2004.06.21

『日本の偽書』 藤原明 (文春新書)

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 なにげなく本屋さんに行ったところ、このような興味深い本を見つけましたので、さっそく購入して読んでみました。
 いわゆる「古史古伝」「超古代史」などと呼ばれ、アカデミックな世界からは一笑に付され続けてきたアヤシイ文書類を、いままでとは違った視点で学問の俎上に乗せようという力作でありました。残念ながら、私が興味を持っている三書〜「富士古文献(宮下文書)」「九鬼文書」「安部文書」がオミットされておりましたが、他の文献への考察は、なかなかよくできていました。
 よくできていました、なんて失礼な言い方ですが、偽書群を客観的に学問的に見ようとするあまり、皮肉なことにこの本自体が偽書臭くなってしまっているのです。
 私は、偽書は偽書だと信じていますが、しかし、それを読み込み、それが生まれた土地に生活していくことによって、その土着的な性格が初めて分かるのだと思っています。その点において、どの文献に対する筆者の態度からも、偽書群が持つ本来のローカルなドロドロしたものが見えてきませんでした。
 しかし、決して文句を言っているのではないのです。ある種、禁断の聖地(?)に正装して踏み込むという難業に挑戦する筆者を、心から尊敬したいと思っています。ただ…(小さな声で)偽書とルサンチマンを切り離してはいけませんよ。

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2004.06.20

ヨハネパウロ2世と小川直也とオヤジプロレスに想う

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 今日は川崎でバンドの練習があり、家に帰ってきたのが夜9時頃。そこからいろいろとテレビを見て過ごしました。
 まずNHKスペシャル「ローマ教皇、動く〜イラク戦争とバチカン外交」。神の名の下に殺すな…あたりまえのことなんですが、なぜ実現しないのでしょう。哀しいことです。不謹慎な言い方ですが、究極のガチンコは、人間の醜さでしかないですね。
 さて次は、そんなガチンコに反発し、格闘技が持つ本来の芸術性を体現する男…プロレスラー「小川直也」が参加している「PRIDEグランプリ」。やっぱりプロレスは素晴らしいですよ。彼の試合も良かったのですが、試合後のコメントが芸術家してます。曰く「すべての試合は大変なんで。それをどう客と対話できるかが大事」う〜ん素晴らしい!勝ち負けではないんですよ。いつのまにか本当にいいプロレスラーになりましたね。感動しました。
 続いて、夜中、プロレスリングノア中継の前に、「ドキュメント'04」。これもまた究極の反ガチンコでした。 福島市を拠点に活動する"草レスラー"集団SEDに取材した内容でしたが、私と同世代のオヤジたちが、本業の傍ら町おこしのため草プロレスに没頭する姿には胸を打たれました。
 戦争にせよ、プロレスにせよ、同じ「人間」が同じ「闘い」をしているはずなのですが、どうしてこうも違うのでしょうか。ため息が出ます。

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2004.06.19

ドラマ「グッド・バイ」 私が殺した太宰治

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 今日は太宰治の誕生日であり、死体の上がった日でもあります。まあ、一応太宰マニアを自称していたこともある私ですから、やはり特別な日だと感じています。
 で、ちょうどいいかなと思い、生徒にこのビデオを見せました。このドラマ、今から12年ほど前にフジテレビで放映されたものですが、いつ見ても魅力ある作品だと感心します。
 まず、何といっても太宰役の役所広司の名演技でしょう。名演技というか、彼を選んだキャスティングの素晴らしさですかね。あまりにもはまり役でこわいくらいですよ。これに比べたら、昔の石坂浩二とか、最近の河村隆一とか、噴飯ものです。あと、山崎富栄役の樋口可南子もいいですね。そっくりです。
 田部あつみの恋人に太宰を殺させるという早坂暁の脚本は、いろいろと物議を醸したものですが、基本的にはフィクションというスタンスですから、私はいいアイデアだと思いますね。また、当時流行った映画「アマデウス」の影響が随所に見られますが、私としては本家よりこちらの方が好きです。
 しかし、太宰という天才は厄介な存在だと改めて思いましたね。ストーリーよりも言葉自体で読ませたいと思っている物書きにとって、彼を越える仕事をするということは、ほとんど不可能に近いでしょう。彼は越えようのない峻嶺です。

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2004.06.18

枯山水と坐禅

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 枯山水…その名からしてある種のパラドックスを内包しています。なぜ草木がかれ、水がかれたミニチュアを作る必要があったのか、漠然と疑問に思っていましたが、今日読んだ大橋良介の文章に、一つの納得いく説が載っておりました。
 曰く、有機的な世界を無機的にすることによって、つまり抽象化することによって、山と河の本質が浮かび上がる、それと同時に、本来のあり方を離れた石と砂もまた、その本質を明らかにする、それが真如である。
 表現はちょっと違いますが、だいたいこんなところでした。で、なるほどなあ、と感心していたところ、ラッキーなことに、今日は接心の日ではありませんか!そう、坐禅の日なのです。そこで、ちょっと試してみました。自分が坐る時に、自分を宇宙の如くイメージしてみたのです。
 そうしたら、なんとまあ、今までで最も心地よい坐禅が体験できたではないですか!自分が宇宙で、外界が自分のような気持ち、内側から内を見つめる感じ…うまく言えませんが、不思議な快感でした。いつまでも坐っていたい気持ち、自分の息と何かのリズムがぴったりあった感じがしました。ほんのほんの少し、宮崎奕保禅師の境地が分かったような…そんなことないか(笑)。

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2004.06.17

「浮世絵師」出演 KDDIのCM

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 実はこのCM、テレビで見たことないんですよ。KDDIのサイトで今日初めて見ました。
 後半フランス語をしゃべりながら、シンクロしている双子は!なんと!私の教え子ではあ〜りませんか。芸名「浮世絵師」。知る人ぞ知る、今最も寒い芸人です。いや、寒いのが中途半端じゃないので、それが立派な芸風になっております。そして、その芸風が有名な芸人さんたちにも気に入られ…というか一般人には理解できません…時々ゴールデンにも登場したりしてます。
 実は「浮世絵師」は三人組。もうひとりも教え子なのですが、そいつも含めて、3人ともがボケなので、どうにも収拾がつきません。はっきり言って高校時代から芸風が変わってな〜い!少しは努力しろ!って、いやいや変わらないというのはすごいことです。
 私もよく一緒にコントなどやりましたし、お笑い業界に行くしかない、と無責任に進路を決めさせたのも私なので、実は非常にうれしいのです。彼らが努力してるかどうかは別として、自分にはマネが出来ないことを成し遂げているのは事実ですから、やっぱりすごいなあ、と思いますね。
 お笑いという業界は私の憧れですし、自分の夢を教え子が叶えてくれるというのは、実に教師冥利につきるというものです。陰ながら応援してるぞ!!

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2004.06.16

『The Beatles Complete Scores』 Hal Leonard Publishing Corporation

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 ビートルズの功績は新しい自然の発見であると思います。
 つまり、それまで発見されていなかったコード進行やメロディーやアレンジ方法を、本当に数多く見つけた、そしてそれらが、新たに発見されたものでありながら、万人にとって自然だったということです。私たちはもちろん、音楽史に残る偉大な音楽家たちもなしえなかったことを、ある意味いとも簡単にやってしまったのです。それもグループという形で。そして、いわゆる音楽家になるべき人に用意されてきた、それまでの「音楽教育」を受けずに。これは1000年に一度の奇跡でしょう。
 私は彼らの出現以降に生まれたことを神に感謝します。今までの私の人生にあまりにも大きな影響を与えてきた彼ら。そして、私はこの歳になっても、いろいろな発見と、それに伴う驚きと感奮を、彼らから与えられています。
 最近買ったこの全曲スコアは、私にとってのバイブルです。ピアノに向かいながら、1曲1曲、コードを確認し、メロディーやハーモニーをなぞってみる、それだけでも至福の時です。これが7000円台で手に入るのですから、ありがたいことですね。
 もしある作曲家の作品だけを、あの世に持っていけるとしたら、結局ビートルズのそれを選ぶでしょう。今夜またそう思いました。

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2004.06.15

イチロー (ニュース10インタビュー)

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 意識しているわけではありませんが、若いのに偉い人が続きますねえ。三十にして惑わず。いつもフラフラしている自分とはえらい違いです。
 今日のインタビューでも悟りの境地が随所に感じられました。特に、自己満足ではなく、プロとしてお客さんに喜んでもらうために努力するという姿勢には脱帽です。そして、凡打や失策も意味あるものにしたい、説明できるものにしたい、という言葉からも、大切なことを教えられましたね。自分にはどれだけ無意味な日常があるのか、説明できない…つまり何の脈絡もない瞬間があるのか、省みるのも恐ろしい(と言いつつ、また逃げている)。
 今日授業で読んだ「ノルウェイの森」にも、素晴らしい音楽の才能があるのに、訓練に耐えることができない子どもの話がありました。自分は才能も中途半端なのに努力もしないという、絵に描いたようなダメ人間で、本当にイヤになります。それにくらべてイチローは…。
 いろいろな偉い人々に大いに刺激を受けている(フリをしている?)今日この頃ですが、結局変わらないのだろうなあ、自分は…。

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2004.06.14

矢野沙織 『YANO SAORI』

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 若いのに偉い人、再び。録音時は16歳。う〜ん末恐ろしい。ジャズサックスの超新星のデビューアルバムです。先月2枚目のアルバムをリリースしたようですが、とりあえず1枚目を今日初めて聴きました。
 うまいですね。ジャズはテクニックだけでどうにかなる世界ではありませんから、この「うまい」はクラシックの若手にありがちな「うまい」とは違いますよ。本当にうまいんですよ。チャーリー・パーカーだって言われても、私の耳には区別つかないところがたくさんあります。まあ、録音の質が違いますが、フレージングやら音色やらは、充分バードしてます。天才なんでしょうね。少なくとも私がサックスを100年練習しても、こんなふうには吹けません。当たり前か。
 それにしても才能はあったとしても、どういう環境でどういう練習をしてきたんでしょうか。不思議です。
 日本の音楽業界は「女子高生」とか「男なのに女の声が出る」とかいった次元で、レコードが売れるのですが、そんな下らない消費者にこびず、岡本君ともども自分のやりたいことをやっていってほしいですね。チャーリー・パーカーのまねでもかまいません。永平寺住職が言っていました。「学ぶということはまねるということや」「まねも一生続ければ、ほんまもんや」。

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2004.06.13

ソプラニスタ 『岡本知高』

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 再びNHKネタ。土日は家うにいてNHKを見ることが多く、また、土日には優れた教養番組が多いので、自然こうなります。
 今日もNHKからいろいろ学びましたが、心に残ったのは「トップランナー」です。実は最後の方しか見なかったのですが、今日のゲストというか走者は、ソプラニスタの岡本知高さんでした。
 実は、彼とは6年ほど前に共演させてもらってるんです。昭和女子大学のレクチャーコンサートでリュリやマレなどのフランスバロックを一緒に演奏しました。彼はその時はまだ国立の学生だったのかな。とにかくその後フランスに留学し、いまや世界でも数少ない男性のソプラノ歌手として立派に成長しました。その活躍ぶりは説明するまでもありません。そのコンサートでは、彼はカウンターテナー、私はヴィオラを演奏しました。その時も、実力はもちろんキャラ的にもこれは大成するな、と思いましたが、これほどまでになるとは。この6年間、自分は何をやっていたのか、という感じです。
 「歌は一つ」という、ジャンルにこだわらない姿勢、そして日本語を大切にするという姿勢は素晴らしいですよね。今どきの若者は柔軟だし、仕事を楽しめるし、苦労や苦悩を大げさに披露しないし、偉いですね。

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2004.06.12

NHKスペシャル 『永平寺 104歳の禅師』

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 私の実家は曹洞宗です。檀那寺はどちらかというと総持寺派のようですが、やはり曹洞宗と言えば、まず頭に浮かぶのは永平寺ですね。
 今日はその永平寺の住職宮崎奕保禅師のドキュメンタリーを見ました。いろいろな煩悩や迷いに溺れる最近の自分にとって、非常に重い番組でした。
 あの永平寺の住職というだけでもすごすぎなわけですが、11歳の頃から仏門に入り、104歳まで只管打坐…ひたすら壁に向かって座禅をする…を続けてきたわけですから、もう想像を絶する境地に至っていらっしゃいました。ですから、ある意味よく聞く言葉でさえ、妙に重く胸に響くのでした。
 「いつ死んでもいいと思うのが悟りではなく、平気に生きているのが悟り」「環境も自分、だから自分を大事にするように他のものも大事にする」「自然は文句も言わず、褒められようともせず、黙って実行して去ってゆく…それが法」「どうしても、ということは命がけでやりなさい」
 表現は違ったかもしれませんが、私の頭にはこういう言葉として残りました。
 いやはや、なんとも重いですね。そして、8000巻に及ぶ般若心経の写経。いわゆる上手な字ではありませんでしたが、あの味わいは何だったのでしょう。ため息が出ました。
 今年の春から、教え子が永平寺に修行に行きました。送り出す時は「かわいそうに」なんて思いましたが、今はかなりうらやましい…。

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2004.06.11

『くわしい 地学の新研究』 関口武・伊藤久雄 (洛陽社)

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 仕事柄、参考書を読むことが多い私ですが、どうも最近の参考書たちには文学性が感じられず、不満に思っておりました。
 たしかに私も、予備校の先生方が書いた、テクニック重視、つまり、とにかくテストで点を取るためだけの参考書にはお世話になっています。私自身が、生徒からそういう授業を要求されているからです。それは、別に間違ったことだと思いませんし、自分もプロの教士(教師ではない)として、その道を極めていらっしゃる予備校の先生方から学ぶのは、大切なことだと思っています。
 しかし、自分が学ぶ立場だとしたら、本当にそれだけで満足できるのか、ということを考えた時、やはり「学問」を教える参考書があってもいいと思います。私には、昔の名参考書たちが生身の教師たちよりも学問の面白さを教えてくれた、という記憶があります。
 昔ながらの参考書というのも、まだ本屋の片隅にあるにはあるのですが、いかにも時代遅れの装丁のまま切なく売れ残っているのが現状です。ところが、最近、昔ながらの装丁でありながら、素晴らしい内容に改訂された参考書が出ました。それも今やほとんど選択する生徒もいない「地学」で!
 ああ、偉大なり、落陽社…じゃなくて洛陽社!大人の読み物としても充分にドラマチックな内容です。もう一度地学の教師を目指そうかな!?と思っちゃいました。いいなあ地学は!

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2004.06.10

下部町 一色地区 『螢』

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 昨日とはうってかわって日本の風情…螢。本当にディズニーシーとは対照的です。どちらがいいかと言われれば、迷うことなくこちらですね。
 夜8時頃から1時間ほどゆっくり螢を眺めてきましたが、いかにもアメリカー!という昨日の喧騒に疲れた心と体を、青白い幻想的な光がじんわり癒してくれました。
 下部町の一色地区は、関東近辺では珍しく自然繁殖した螢の乱舞を楽しむことができるスポットです。ほぼ毎年行っていますが、今年は特に自動車が多く、やや興醒め…って自分も自動車で行ったんだ。
 今から20年ほど前までは、私が大学生活を送っていた都留市のアパートの裏でも、螢の乱舞を見ることができたのですが、いまや、そういう所を見つけるのは困難になってしまいました。日本の原風景が失われていくのはやはり哀しいことです。
 自然界の中で私が最も好きな光、それは螢と流れ星です。この二つには共通した何かが存在します。言い古された感もありますが、「はかなさ」っていうやつでしょうか。それに涙できる自分であり続けたいと思いました。日本人としての心の原風景は失いたくないということです。
 ところで、螢をデジカメで撮影するというのは難しいですね。右の写真は目の前を飛んでいた1匹を動画で追いかけた、その1コマです。説明されなきゃ何だか分かりませんね。未確認飛行物体って感じですな、こりゃ。

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2004.06.09

東京ディズニーシーで生存が確認された絶滅危惧種 「山姥」

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 今日は仕事で東京ディズニーシーに行ってきました。
 梅雨時の平日とは言え、ここまで空いていると気持ちが悪いですねえ…実際待ち時間なく多くのアトラクションに乗れてしまったため、胃の中が攪拌され、かなり気持ち悪いのですが…。
 人口比でいうと、カップル5割、家族連れ2割、中高生2割、外国人1割といったところですかな、などと観察しながら、さあ帰ろうかと思った時、その4種に分類されない生物2個体を発見し、思わず写真を撮ってしまいました。ああ、まだ生きていたんだ!良かった!と歓喜してしまいました。
 いやあ、私は久々に見ましたね。まあ、都会の若者が集まるところには、なかなか行く機会がありませんから、私が勝手に彼女たちを過去のものとしていただけかもしれません。しかし、マスメディアにも最近あまり登場しなかった彼女たちの存在感は、確実に希薄になっていました。だからこそ、今日は「生きもの地球紀行」でも見ているような気持ちになっちゃいました。
 ハッキリ言って、ディズニーのキャラクターが無個性に見えましたよ。その辺にうようよしていたネズミやクマたちとは違い、種保存の覚悟のようなものを感じましたね。以前あれほど彼女たちを厭っていたのに、今日の自分は心の中でエールを送っていました。ははは…。

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2004.06.08

『仏教と神道 どう違うか50のQ&A』  ひろさちや (新潮選書)

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 昨日もそれらしいこと書きましたが、私は宗教マニアを語りつつ、実は基本的なことが分かっていない、典型的な野狐禅野郎なのです。たまに本を読んで復習しないと、すぐに忘れてしまうんですよ。
 各宗教に関する入門書や概説書は、本屋にコーナーができるほど需要があるわけですが、ある意味、私のように「入信するのはもちろん、教典を読むのさえ面倒くさい。だけど教義は知りたい」という不届き者がたくさんいるということですね。それが日本人のいいところでもあるわけですが…なんて自己弁護したりして。
 さてさて、そんなわけで、今日復習用に買ったのが、この本です。
 ひろさちやさんは仏教がご専門の立派な学者さんですが、他の宗教に関しても造詣が深く、それらを上手に比較することに関して大変優れた功績を残されています。また独特の平易な語り口で、我々のような不届き者に多くの満足を与えて下さっています。ひろさんの著書によって宗教を身近に感じることができるようになった日本人は本当に多いことでしょう。
 この本も一気に読める親しみやすさと、内容の確かさを持った名著でした。そして、仏教と神道を通じて、日本人とは何か、というテーマに迫ろうとする点においては、とても入門書とか概説書とかにはカテゴライズできない深さがありました。
 私の座右のバイブルとなりそうです。

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2004.06.07

出口王仁三郎 真筆 『富士図』

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 ウチは宗教的には何でもあり、まさに八百万の神のたまり場みたいな所なのですが、その中でもかなり重要な地位を占めているのが、オニさん、つまり出口王仁三郎です。
 この人(ホントに人なのでしょうか?)については、日本のみならず、世界中の人が信仰し、研究し、ファンになり、まねをしていますが、まあこの方自身が宇宙みたいなものですから、全てを理解するのは人類には到底無理でしょう。だから、神様なのだと思いますけどね。
 オニさんは、富士山を大変重要視しています。彼の霊的体験のイメージは富士山に始まりますし、霊界物語においては、天教山として世界の中心的役割を与えています。私の研究している富士古文献(宮下文書)との関係も、ただならぬものがありますしね。
 そんなわけで、オニさんは富士の絵をたくさん残しています。その内の一枚をとうとう手に入れてしまいました。本物です。
 これがいいんですよ。さりげないタッチで描かれた色紙なのですが、そこにこもる「気」はただものではありません。ウチの玄関に御神体(?)として飾ってありますので、みなさん、ぜひ気を浴びに来て下さい。浴料は無料です。落款は「欣游暢神」…なんか伸びやかで明るくていいですね。
 この絵も巡り巡って富士山に飾られ、きっと喜んでいるでしょう。

「みろくの世」―出口王仁三郎の世界

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2004.06.06

ミニミニ琴(?)

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 今日、ハードオフで面白いものを見つけて、ついつい買ってしまいました。
 写真をよく見て下さい。左が三味線、その右側に普通の琴が二面立てかけてあります。その足下にたたずむ物体は?そう、全長50センチくらいのミニミニ琴です。
 本物の琴(箏)は全長170〜180センチと大柄で、特に女性には持ち運びが困難です。私は大学時代、筝曲愛好会に所属していましたが、1年目は男性部員は一人だけだったので、ほとんど先輩の琴運びばかりしていました…というのはウソで、みなさん高価な楽器を競って(!)買っていらっしゃり、私は恐れ多くて手も触れられませんでした。
 ところで、このミニミニ琴、正直初めて見ました。いわゆる文化箏(ミニ琴)というのは昔からあって、それは全長86センチ。つまり2分の1サイズのものです。それ以外の分数箏があったなんて。で、作りや音はなかなかよく、おもちゃの域は余裕で越えています。未使用の爪(生田流タイプ)、チューニングピン(!)、布製のカバーも付属しており、ちゃんと演奏することを前提に作られているようですね。
 いったい誰がこんなものを手に入れ、ハードオフに売ったのでしょう。それを買う私も私ですが。
 さて、この楽器で私は何をするのでしょう。それはたぶん8月には明らかになるでしょう。お楽しみに。

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2004.06.05

接心の典座

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 昨日から今日にかけて、接心が行われ、私は典座という役目を与えられ、高校の家庭科室で一夜を過ごしました。って、仏教関係でない方にはさっぱり分かりませんね。
 接心(せっしん)とは仏教における修行の一つと言ってよいと思います。私の学校は臨済宗系ですので、なりきる心の習得を目的に、座禅を中心とした生活を体験します。いわば、禅宗の僧侶の生活を一日(というか半日)だけ体験しようというものです。
 その中で、典座(てんぞ)というのは、簡単に言えば食事係ですね。生徒、先生総勢60名くらいのご飯を作ります。ご飯と言っても、僧堂での食事をまねたものですから、薬石(夕ごはん)は白米にみそ汁、漬物だけ、粥座(朝ごはん)は粥と梅干し漬物だけという、いたってシンプルなものですが、日常生活でこんなたくさんの食べ物を用意することはありませんので、道具一式揃えたり、米を炊いたりするだけでも、ひどく神経を使います。そんな非日常が快感でもあります。とても自分とじっくり向き合っている余裕はありませんけれど。
 接心終了後、指導して下さったお坊さんとお話しましたが、なんか憧れますね。だめな自分を劇的に変えるには、出家するしかないようです。

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2004.06.04

advantage Lucy 『Have a Good Journey the best of advantage Lucy 1996-2000』

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 私が最も好きな日本のバンド…それはなんと advantage Lucy です。意外に思われる方も多いのでは。というか、知らない人がほとんどですね。
 一時期ちょっとメジャーっぽい活動をしていましたが、自らの意志でインディーズに戻ってゆきました。ジャンルはいわゆるギターポップで、ブリティッシュ、フレンチ、日本などが、いい具合に溶け合いながら、独特の雰囲気を醸し出しています。すごく個性的というわけでは決してありませんが、聴いていて心が和む、穏やかになる、そういう効果が絶大なのです。
 その要因として突筆すべきは、曲の性格の良さでしょう。コード進行はどの曲もとてもシンプルで、奇を衒ったところが全くありません。また、全体にサブドミナント指向が強く、心にしみじみとした安心感を催します。そして、何といっても、メロディーの素晴らしさでしょう。
 作曲を手がける石坂義晴さん、私は天才だと思いますよ。シンプルなコードの上にこれだけ魅力的な旋律を作れる人は、クラシックも含めてそんなにいないですね。もちろんボーカルのアイコさんの声と歌詞も希有の存在感だと思います。
 私はアルバムとしては「station」が一番好きなのですが、それ以前の名曲も聴けるということでベスト盤をおススメしておきます。いいバンドなのになあ…。なぜ…。

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2004.06.03

あんずボー (ミナツネ)

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 小学校時代、私はなかなかの駄菓子屋マニアでした。そこで出あい、この歳になっても呪縛から抜け出せないのが、「あんずボー」と「ベビースターラーメン」です。
 後者はある意味、大きく進化し今や全国区の人気スナックになっていますが、こちら「あんずボー」は、いまだに首都圏でしか手に入らないようです(首都圏と言えば、あのペヤングソース焼きそばも西日本や北海道では知られていないんですよね)。
 このくらいの季節になってくると、また一箱注文したくなります。暑い日に、こいつを凍らせるて食べると最高なんですよね。これが冷蔵庫の冷凍室にたんまりあると、それを見るだけで幸せなんですよ。
 一日一本って自分で決めているんですが、ついつい家族が見ていないスキにもう一本食べちゃうんですよね。子どもみたい。
 たしか昔の駄菓子屋では、凍らせてないのは20円、凍らせると25円で売っていたように記憶しています。ちょっとびっくりしたのは、無添加、無着色の自然食品として、coopのカタログに載っていたことです。お〜ついに「あんずボー」も市民権を得たかと思う反面、ん〜駄菓子屋だけで手に入る、つまり駄菓子であり続けてほしい、という気持ちにもなりました。

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2004.06.02

NHJ Che-ez! moni-me

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 数年前までは銀塩派だった私も、いつのまにかすっかりデジカメ派になってしまいました。自分でも少し淋しい気がするのですが、実際便利ですし、まあ時代の流れでしょう。
 しかし、昨今の画素数をやたら増やしていく傾向には首をかしげざるをえません。500万画素なんて絶対オーバースペックですよ。ファイルサイズは大きくなる、処理速度は遅くなる、アマチュアにはいいことありません。個人的には150万から200万画素がベストだと思いますがね。で、私のメインカメラはSANYO DSC-MZ3です。知る人ぞ知る名機です。これについてはまたいつか紹介しましょう。
 さて、今日のおススメはコレ→です。ホームページ用に、ロースペック、ロープライスのものを探しておりしたところ、コレに出会いました。33万画素、JPEGフォーマット、カラー液晶モニター付き、USBストレージクラス対応、単3アルカリ電池駆動、本体58g…完璧です!そしてお値段は驚愕の2500円!!即決です。web用には充分な画質ですし、多少安っぽいのは、実際安いのでまあ納得ということで、なかなか満足しています。
 それにしても私が買った初めてのデジカメ(CASIO QV-10)、25万画素で6万円以上したんですけど…時代の流れですね。

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2004.06.01

『定本 育児の百科』 松田道雄 (岩波書店) 

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 全部読んでいないのに、おススメするのはどうかとも思いますが、折に触れてページを繰るうちに、すっかりとりこになってしまいした。
 「育児の百科」は、その名の通り百科ですから、必要な時に必要な箇所を読めばいいと思いますが、一度読み始めると、その時には関係のない別の項目も、どうしても読まずにはいられなくなります。これは間違いなく人類の遺産です、おおげさでなく。実用性、哲学性、そして文学性を兼ね備えた希有の芸術です。普通それらは併存しがたいものですよね。それをものすごく高い次元で実現しています。
 あえてライバルを挙げるなら「新明解国語辞典」でしょう。両者に共通しているのは、対象への愛情と、ごまかしを許さない筆者のきまじめさ、そして、無意識のユーモアです。
 育児に関する卓見にはげまされ、勇気づけられ、納得させられることは当然ですが、随所に読み取れる近代大人社会に対する厳しい批判…ほとんど揶揄ですね…には、苦笑しながらも反省しきりです(父親としてだけでなく先生としても)。
 同じ著者による岩波新書「私は赤ちゃん」「私は二歳」も文学作品として最高レベルにあると思います。

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