« 2004年4月 | トップページ | 2004年6月 »

2004.05.31

竹めし

osusum19.jpg
 昨日、富士山ナショナルトラストに参加している父が、お土産として我が家に持ってきました。
 竹めし…竹で炊いたご飯です。チャル釜のご飯もおいしいけれど、これはこれで違ったおいしさでした。炊きたてなら、もっとおいしかったでしょうね(ゴクッ)。
 直径10cmはあろうかという太い竹の、節と節の間に窓(蓋)を開け、そこに白米と水を入れて、下からガンガンたき火で加熱すると、5合ほどの米が30〜50分くらいで炊けるそうです。ほのかな竹の香りが白米に移って、なんともいえず美味です。竹は取りたてというか切りたてのものでないと、水分を含んでいないため燃え上がってしまうということです。つまり、炊き上げたあとの竹は、一見再利用できそうなのですが、もう使えません。それにしても竹の内側は、まるでホーロー加工のように滑らかで、ご飯がこびりつきませんね。竹の調理用品は今ブームだそうです。
 ところで、昔の人はこうして野外で煮炊きしたんでしょうか。そういえば、東南アジアなどの戦地で、兵隊さんたちが竹を使って調理したというのを何かで読みました。彼らは白米を炊いたのでしょうか。ちょっと切なくなりました。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.30

フィアット プント ELX Speedgear

FIAT  PUNTO ELX Speedgear
images1a.jpg
 今日はウチの車を紹介しましょう。
 現在ウチには車が2台ありますが、主に家内が使っているのが、オレンジのプンちゃんです。そういえばFIATのお偉いさんが先日急死しましたねえ。経営再建中のFIAT、大丈夫なんでしょうか。
 さて、この車、おススメしていいか、ちょっと迷うんですよね。いや、私は大好きですよ。とても可愛いヤツです。実際見た目も個性的ですし、走りも1200ccとは思えないほどキビキビしています。富士重工製のCVT(無段変速機)とのマッチングがとてもいいのでしょう。燃費もかなり良く、長距離を走ると20km/lを越えてきます。満タンにして富士山を出発すれば、家内の実家、秋田まで余裕で行けます。車内も非常に広く感じますし、シートの出来などは最高!さすがイタ車です。
 …と、いいことばかり書いてしまいましたが、実は、さすがイタ車!と絶叫したいことがほかにもあるのです。それは故障、不具合です。CVTのオイル漏れ、ラジエーターファンが取れちゃってオーバーヒート、ブレーキランプカバーの色抜け…その他。
 まあ、出来の悪い子ほど可愛いっていいますよね。イタ車に乗る醍醐味ですよ。プンちゃんが動かなくなったら、またイタ車にします。

さらばプント
こんにちはパンダ

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.29

キース・ジャレット 『Book of Ways』

b000008bd301lzzz.jpg
 現代屈指の天才音楽家、いちおう肩書きはジャズピアニストとしておきましょう、キース・ジャレットの二枚組アルバムです。
 キースはあまりにも多くの名盤を残していますが、その中でもマニアック度No.1、内容的にも私が最も好きなのがこれです。
 キース・ジャレット先生、ここではなんとクラヴィコードを使ってインプロヴィゼーションを繰り広げています。それも3台のクラヴィコードを並べ、1台は弾かずに共鳴用として使い、あとの2台を同時に弾いています。私もクラヴィコードが大好きで、知人の家に行くといつも弾かせてもらっていましたが、あの楽器はハッキリ言って自分にしか音が聞こえません。それほど小音量なのです。ところが、だからこそ自分の耳が研ぎ澄まされ、楽器からの振動を受け取る指先までが敏感になって、他では絶対に味わえない不思議な感覚に包まれるのです。まさに音楽と自分が小さな宇宙を作り出す…そんなところが、内省的な即興を得意とするキースにはぴったりです。
 それにしても、この即興曲たちの充実度は何なんでしょう。バロック風あり、ジャズ風あり、民族音楽風あり、とんでもない才能の持ち主ですね。本当に隠れた名盤です。絶対におススメ。
Amazon Jarrett: Book of Ways

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.28

玄侑宗久氏 講演

osusum17.gif
 仕事の合間に、第125回芥川賞を受賞した玄侑宗久さんの講演会に行ってまいりました。演題は「あの世とこの世」、なかなか示唆に富む興味深い講演でした。
 臨済宗妙心寺派のお寺の副住職さんですから、仏教的なお話をされるものと思っておりましたら、8割が科学的なお話でした。相対性理論やら量子論、超ヒモ理論からフラクタル幾何学まで飛び出したからビックリ。
 宗教と科学のベクトルは全く逆に向かっているけれど、実はぐるっと回って同じところを目指していた(空間が曲がっているのかな)というのが、私の、というかよくある考え方ですが、それを必死に模索しておられる姿に感銘を受けました。
 ご自身が迷い、悩んでいるその心の内が感じ取られる講演でした。そんな一生懸命な姿勢が、ある意味禅宗の教えとは矛盾しているかもしれませんが。いや、それが実にほほえましかったのです(ごめんなさい)。
 あの世=暗在系、この世=明在系、という仮説を聞きながら、いろいろと思いついたことがありましたが、それはまた随想にでも書こうと思います。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.27

LAKS USBフラッシュメモリ内蔵腕時計

osusum15.gif
 これはアイデア商品です。
 私も世間のご多分にもれず多くのデータを持ち歩くようになりました。そこでUSBフラッシュメモリをほしいなと思っておりましたところ、すごいものに出会いました。ああ、やられた!そう来たか!って感じでした。
 フラッシュメモリは確かに小さく持ち運びに便利です。しかし、それは則ち、私のような者にとっては、どこかに置き忘れる可能性が高まることをも意味します。ストレージそのものをなくしてしまうのも困りますが、やはりその中身であるデータが自分の管理下を離れるのが心配です。
 では、どうしたら良いか。毎日身につける習慣がついていて、はずしていると何か違和感というか、欠落感を催すもの…それは腕時計!そういう発想で開発されたのだと思います。
 なるほどね。よくぞこのデザインで実現してくれました。特にUSBケーブルの生え具合や収まり具合は絶妙です(ちょっと強度的には不安ですが)。スイス人の発想ですかね。
 私は128MBを買いましたが、12k円くらいでしたから、メモリ+時計として考えれば安いですよね。
 久々に「これだ!」という製品でした。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.26

シスレー 『セント・マーティン運河』

sys.gif
 昨夜、BSで「モネ〜うつろいゆく光」を見ました。時代に抗い、そして常に実験的な精神を失わなかったモネに、あらためて胸を打たれました。一体に印象派の画家たちは、その穏やかな画風からは想像しえないような苦悩や貧困を味わっているようです。
 今日取り上げたのはモネとも親交の深かったシスレーの作品です。シスレーはいいですね。印象派の中では彼が一番好きな画家です。
 モネやルノアールのような有名どころとは違い、あまりにも静かで淡々としており、物足りないという向きがあるのも事実です。しかし、イギリスのお金持ちのボンボンが、家を捨て国を捨ててはるばる渡ってきたフランスで、どうにも絵が売れず不遇なまま人生を終えたということを考えると、この穏やかさは説得力を持ちます。特に彼は空の表現にこだわったといいますが、どんな気持ちで美しい空を見つめていたのか…。
 ところで、なぜこの作品かというと、私の家の寝室にこの絵の模写が飾ってあるからです。模写したのは中学生の私です。稚拙ですが、妙に印象派の筆致なんですよ、これが。今じゃとても描けません。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.25

韓国製電子圧力釜 『チャル釜』

goods00000784.jpg
 私の家内の実家は秋田の米農家です。そこでいただく炊きたての「あきたこまち」のおいしさって言ったら…思い出すだけでも唾液が…本当に日本人で良かったと思う瞬間です。
 で、おみやげにその「あきたこまち」をいただいてくることが多かったのですが、どうも富士山で炊いてみると、ん?おいしいけど、あの感動とは何かが違う。なぜだろう。
 よ〜く考えたらわかりました。ウチは富士山の標高1200m地点にあり、気圧は低地より約120hpa低く、よって水の沸点も96℃くらいまで下がってしまうのでした。これでは米に火が入りません。そこでいろいろ調べて買いました!
 チャル釜です。これは100℃どころか116℃になるまで加圧してくれるすぐれ物です。
 で、チャル釜で炊いた米ですが、マジで美味い!今まで食べていたのは何だったのでしょう。百聞は一食に如かず…ぜひ買って食べてみて下さい。
 もちろん保温も可能ですし、他の料理もいろいろOKです。国産品に比べ本体もかなり安いですし、安い米でもおいしく炊けますので、結構経済的かも。炊き上がりにシューッ!!と吹き出す噴気には、気合いすら感じます(目覚ましがわりにもなる!)。
 ところでチャルって何…?

追伸 2008年、チャル釜は引退しました。かわりに活躍しているのはサンヨーおどり炊きです。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.24

美輪明宏 対談本2冊 『人生讃歌』『ぴんぽんぱん ふたり話』

mzzzzzzz1.jpg  zzzz2.jpg
 寺山修司にはまっていた若い頃、美輪明宏さんのことを知り、そのスケールの大きさに圧倒された記憶があります。本当に頭がいいなあ、そしてこの自信はどこから沸いてくるのだろう、と思いました。私も霊界を身近に感じている者ですが、美輪さんにはとてもかないませんね。
 この2冊、実家にあったのを1時間ほどで読み切ってしまいました。だいたい対談集というのは読みやすく、あっという間に終わってしまい、得したような損したような複雑な読後感を催すものです。
 しかし、この2冊は私にある特殊な読後感を与えてくれました。それは、対談相手の齋藤孝と瀬戸内寂聴がコテンパンにやられている快感です。もちろん美輪さんは相手を立てて、まるで意気投合という感じで対談を進めていますが、どう考えても対談相手の方が役者不足です。ハッキリ言って手のひらの上で遊ばれている感じです。
 齋藤さんは私の高校の先輩ですし、寂聴さんは源氏物語や長慶天皇の関係で間接的にお世話になっておりますが、なぜかこの二人のお話なさることを私は好きになれないでいました。そんな二人を軽く成敗してくれた美輪さんに、改めて敬意を表したいと思います。ああすっきり。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.23

宝塚月組 DVD 紫吹淳サヨナラ公演 薔薇の封印 ヴァンパイア・レクイエム

osusum16.gif
 「宝塚」…つい2年ほど前まで、なんとなく一生観ないだろうと思っていました。しかし、多くの人が支持し、長く続いているものはそれなりに理由があるのですから、好き嫌いは別として一度は経験してみるべきです。
 思えば、かじりもしないで「興味ない」とか「きらい」とか言っていたことがずいぶんありました。恥ずかしいことです。若い時は特にそういうことが多くありますよね。最近は自分の人生のゴールを意識するようになったからか、以前に比べるとずいぶん「試食」に対して積極的になりました。
 で、生徒に(無理やり)勧められて「宝塚」をいくつかかじってみましたが、やっぱりそれなりにすごいですよ。「四季」をかじった時と同様、よく訓練された非凡な集団…つまりプロたちが作り出す非日常的世界に驚きました。私はかじっただけでも充分満腹になりましたが、はまってしまって3食宝塚でもOKという人がいても、確かにおかしくないですね。
 それにしても紫吹淳、何の役をやっても一緒ですね。ベクトルの方向は正反対ですが、なぜか笠智衆を思いだしました。な、なんと彼、いや彼女、私とあんまり歳が違わないらしい!それだけでも尊敬。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.22

K-1 MMA Championship ROMANEX

kakk1fujitaidtop.jpg kakk10802s.jpg
 今日のROMANEXは、私のようなプロレスファンにとって、久々に溜飲を下げることのできる大会でした。K-1、PRIDEのようないわゆる格闘技が隆盛の昨今、ずっとはがゆい気持ちでいたのは私だけではないでしょう。
 格闘技にプロレスラーが参戦するのは、Jリーガーがプロ野球に出るようなものです。それをテレビを見ている一般人が理解できないのは仕方のないことですが、当の本人達や団体が分かってないのは実に困ったものです。
 しかし、昨夜の試合を見ればわかるように、半年もしっかり練習すれば、やっぱりプロレスラーが勝つのです。中邑の言葉(というか桜庭の言葉ですが)「プロレスラーは強いんです」は本当でしょう。
 今、格闘技の世界で人気のある選手たちが、半年みっちり練習しても、プロレスでは勝てませんよ。また、彼らの中で10年後も一線で活躍している人は皆無でしょう。サップをはじめとして、本当に賢い人たちはプロレスをバカにしたりせず、必死に学んでいます。そして、K-1がMMAをスタートさせ、PRIDEもプロレスとからむようになっています。これらが何を示唆するか、もうわかりますね。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.21

CASIO 電子辞書 XD-R1300

img1022552431.jpg
 私も電子辞書を手放せない人間になってしまいました。
 紙の辞書でなくてはダメだ、という人も多いと思いますが、そういう方々は電子辞書を使ったことがないのでは。いやもちろん私も紙の辞書を使いますよ。仕事柄たくさん持っていますし。しかし、電子辞書を買ってからというもの、辞書を引く(電子辞書でも引くでいいのでしょうか、キーボードをたたくので「弾く」かな)回数が飛躍的に増えたのは事実です。
 私のような無精者にはぴったりなのですよ。今まで面倒くさくて、まあいいや、としていたもの(特に英語)をマメに調べるようになりました。やはり辞書は使ってナンボのものですからね。
 で、なぜXD-R1300という古い機種をおススメするかというと、「新明解国語辞典」搭載最終バージョンだからです。「新解さん」を携帯できるということは画期的なことです。収載されているのは第5版ですが充分楽しめます(第4版だったら最高だったのに…)。
 現在ほとんどの電子辞書の国語辞典は「広辞苑」になってしまいました。あれはブランドだけで中身は結構中途半端なんですけどね。XD-R1300、在庫僅少ですから、今が入手の最終チャンスでしょう。

不二草紙に戻る

| | トラックバック (0)

2004.05.20

 『日本語 新版(上・下)』 金田一春彦 (岩波新書)

images22.jpg
 ああ、本当に哀しいニュースでした。昨日、国語学者の金田一春彦さんがお亡くなりになりました。
 ご本人にはお会いしたことはありませんが、多大な影響を受けた大先生です。私の大学での専門がまさにアクセント史でしたから当然です。
 氏は特に、中世の楽譜から当時のアクセントを再現するという研究で大きな成果を残しましたが、氏はその論文の中で「江戸時代の楽譜はたくさん残っているが、そこにはアクセントがあまり反映していないので、江戸語のアクセントの復元は困難」という内容のことを述べていました。大学当時、山田流の筝曲をやっていた私は、氏のご存知ないであろう山田流の秘譜の写しを手に入れ、そこから氏の手法にのっとって江戸語アクセントの復元にチャレンジしたのです。なんか今になってみると恥ずかしいですね。
 氏はお父上とは違い、全く学者然としておらず、自説を攻撃する論調に対しても穏やかに対処しておられました。そんなお人柄はどの著作にも表れていますが、やはり「日本語」は永遠の名著でしょう。日本人なら必読です。
 山梨県にもゆかりの深い方でした。ご冥福をお祈りいたします。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.19

嵐 PIKA☆☆NCHI DOUBLE

ar.jpg
 昨日とのギャップがかなり激しくありますが、いいものはいい、というのが私の基本姿勢です。
 もう3ヶ月くらい前の発売になりますから、旬はとうに過ぎていますが、とにかくいい曲です。
 ジャニーズなどのアイドルものは、ハナから聞かないという人も多いでしょうが、アイドルものはお金がかかっているので、楽曲も演奏も一流ということが多々あります。SMAPのアルバムなんか、クレジットを見てビックリ、世界中のすごいミュージシャンが参加していますよね。
 この曲も大変上質なポップロックに仕上がっています。歌はお世辞にもうまいとは言えませんが、それが歌詞の内容とも相まって、すがすがしく若々しい表現になっています。
 私も卒業シーズンに合わせて、自宅のカラオケステーションで練習しましたが、不惑間近の私にとっては、内容的にも音域的にもちょっとキツイものがありました。結局披露せず終わっちゃいましたね。それが正解だったかも。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.18

ゲーベル指揮 ムジカ・アンティクワ・ケルン バッハ 『ブランデンブルク協奏曲』

osusum13.gif
 数あるCDコレクションの中で、ジャンルを越えて最も大切な1枚(2枚組ですが)がこれです。最近また買いました。3セット目です。
 アナログレコードじゃあるまいし、減るもんじゃないと思うのですが、なぜか傷んで音飛びするようになります。それほど聴いた、つまり出し入れしたということでしょう。世間では賛否両論、特に演奏家の皆さんにはアンチが多いですね。まあ、演奏家は往々にして、他人の演奏についての厳しい評論家になるものです。
 もう15年以上前の録音ですが…初めて聴いた時のえもいわれぬ衝撃、忘れません…いまだこれを越えた古楽器の演奏には出会っていませんね。
 テンポが早すぎるという意見も、表現に癖がありすぎるという意見も、私にとっては、えっ?それで?って感じです。なにしろバッハの楽譜に書かれている音が(それが合奏部のなんでもないような音でも)意志を持ってこちらに訴えかけてくる。
 私も長く古楽器演奏をしていますが、どうすればこういう生命感に満ちた音の集合になるのか、ほとんど想像もできません。一言、すごい。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.17

課外授業ようこそ先輩 銅版画家 山本容子 「絵に描きにくいモノを版画にしよう!」

yamamotoy.jpg
 昨日の朝見た番組です。
 先週の坂茂さんにも考えさせられましたが、昨日の山本容子さんの授業にもいたく感動しました。まず、「見つけなければ見えない」という姿勢です。これには私も大賛成です。
 メディアが異常に肥大化した現代、私たちが目にしたり、耳にしたりしているものは、ほとんど見せられたり、聞かされたりしているものですよね。自分の感性で探して見つけたものが、本当の「見えたもの」「聞こえたもの」になるのだと、私も思います。日常に埋もれたもの、つまらないと烙印を押されたもの、私もそういうものを見直し、聞き直すことが大好きです(だからマニアックって言われるんだって!)。
 子供たちの作品も素晴らしかったですね。大人と違って、最初にプランがあるわけじゃない。その場のひらめきや、作品自身の意図っていうのかなあ、それを素直に自分のものにしてゆける。大人になってしまった私が忘れていたものを、思い出させてくれました。
 私の娘も早速やってみたようです。なかなかの名作ができた、と自画自賛しております。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.16

実写版 セーラームーン

top1601.jpg
 昨日放送分をビデオで見ました。最初のうちは娘のためにビデオに録っていたのですが、今や、両親の方がはまってしまっていて、娘はそれを冷めた目で見ています。
 さて、昨日放送分も良かったですね。なんか、泣けました。単なる戦隊もの(?)を越えて、人間ドラマしてますよ。テーマ自体がけっこう重いですよね。
 仏教的因縁観とキリスト教(原理主義)的善悪観が交錯しています。竹取物語や源氏物語の影響も感じられますし、記憶を失っている点や、コテコテだけどハラハラさせられる恋愛絡みストーリーなどは冬ソナ風、女子中学生の微妙な人間関係は中学生日記風…などなど、かなり楽しめます。
 役者たち自身の成長ぶりからも目を離せませんね。
 昨日の放送での注目は、元基くんがスプーンを突き上げるシーンでしょう。分かる人には分かります、実相寺昭雄のパロディでしょうね。
 私は不勉強で原作やアニメは見ていません(アニメの最終回ってすごいらしいですね)。娘をけしかけて手に入れようと思っています。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.15

herbie hancock他 New Standard (special edition)

0515.jpg
 Jazzの素晴らしいライヴも結構聴いてる方だと思いますが、最も鮮烈な思い出になっているのは、1996年8月4日河口湖ステラシアターでの伝説の夜ですね。Herbie Hancock(p),Michael Brecker(ts,ss),John Scofield(g),Dave Holland(b), Jack Dejohnette(ds),Don Alias(per)という夢のようなメンバーたちが、すさまじいインタープレイを聴かせてくれました。
 その夜の様子はレコーディングされ、アルバムNew Standardのspecial editionとして発売されました。私は一人で聴きに行ったのですが、左手に持った黒ビールを飲むのも忘れるほど、興奮した覚えがあります。このレコーディングには私のものと思われるタイミングの悪い奇声も記録されています。
 それにしても、みんなすごすぎ!特にジョンスコの疾走感あふれるギターには、今聴いてもしびれまくりますね。このライヴは、私にJazzの演奏を断念させた(?)記念すべきライヴでもあります。
 今やこのspecial editionは手に入らないお宝になってしまいました。スタジオ録音ではあの高揚感は体験できません。やっぱり生(たとえ録音でも)が一番ということでしょう。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.14

『うちの子にかぎって〜第9話』と『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

isozakiakiko231.jpg osusum12.gif
 久しぶりにこの2作を続けて見ました。
 前者は、知る人ぞ知る伴一彦脚本の名ドラマ、その中でも必見の「転校少女にナニが起こったか?」です。磯崎亜紀子扮する木下黎がサッカーボールの上に赤い靴を置くシーン、いつ見てもいいですね。イギリス組曲がバックにかかっています。
 後者は、岩井俊二監督(前出VALONとも関係が深い)の事実上のデビュー作となったドラマですね。これもとても高い評価を得ました。
 どちらも私の大好きな作品ですが、続けて見ると、両作品の共通点が多く感じられます。登場人物たち、前者は5年生、後者は6年生と思われますが、この微妙な年代の微妙な感性を、両者とも見事に描き出していますね。
 男子より女子の方が精神的にも肉体的にも大人びている頃。男子はとても不思議な恋愛感情を抱く季節です。両作の男子主人公ともに、想像力の限界が可愛らしいところです。
 現実と夢の交錯、日常のもののけ体験。もう久しくありませんね。私も大人になってウン十年ということでしょう。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.13

 『教えることの復権』 大村はま 他 (ちくま新書)

mzzzzzzz.jpg
 私にとっての現人神様は、それこそ八百万で何人もいらっしゃいますが、やはり大村先生をその筆頭に挙げねばならないでしょう。
 私は幸運なことに、石川台中学校在学中、実際に大村先生の授業を受けさせていただきました。そして、更に幸運なことには、大学在学中に再会の機を得てお言葉までかけていただきました。
 「普通のつまらない国語の先生になっちゃダメよ」
 大村先生の実践は、私にはまねできません。誰もできないでしょう。実際授業を受け、本当の力(それこそ生きる力)をいただき、恐れ多くも同じ職に就いてしまった私は、そう断言します。まねできないから神様なのです。
 この本は全ての教員、親に読んでいただきたい。勘違い教師が跳梁跋扈して久しい教育界。私もこの本を読んで、背筋を伸ばし襟を正した一人ですが、その先どうすればいいか、今日も分からず日常を低徊している…人間は辛いです。本当に。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.12

県高校総体開会式

kaikai.gif
 今日はお仕事で甲府の小瀬陸上競技場へ行ってまいりました。総体の開会式で行進してきました。ハイ。
 これは面白いですよ。全国でもかなりレアになりつつあるようです。さすが保守王国山梨県。
 えっ?何がって?
 実はこの開会式で見事に行進している選手団は全てニセモノなんですよ。先導する先生方もある意味ニセモノです。私も含めて。実際の選手はそれぞれの会場に分かれて、もうすでに競技に入っているわけです。ですから、神妙に行進したり、偉い方々の「君たちのたくましい姿を見て、山梨県の未来も安泰だと感じました!」とかいう祝辞を聞いてたりしている人々は、実は全然体育会系ぢゃなくて、どっちかっていうとインドア系、オタク系の集団なのです。
 まあ、外見が明らかにそっち系ですからね。私も含めて。
 とっても面白い行事です。ある意味競技場全体が演劇空間になっているわけです。かなりシュールな…ああ、楽しかった。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.11

Ilmari×Salyu 『VALON』

valon.jpg
 FMで初めて耳にした時、ハッとしましたね。アーティスト名も曲名も分からなかったので、ん?新人か?それにしてはこなれている…なかなかやるな、と思いました。これは大物新人か、大物がバックについてるかだな…。
 耳に残った歌詞の一部で検索すると、出てきました。それで納得。ああ、小林武史かあ!なるほどよく考えてみれば、小林武史節全開ですな。いつもながらの職人芸です。
 実は私はこういうタイプの曲、つまりこういうテンポ、メロディー、コード進行、アレンジ、歌声に弱いんですね。
 Ilmariのrapは上手なのか分かりませんが、salyuとの対比は絶妙です。どちらか一方だけでは魅力激減でしょう。
 ちなみに小林武史と言えば、私にとってはSwallowtail Butterflyがベストです。そこまではいかないかな、これは。
 それからsalyuと言えば、『リリィ・シュシュのすべて』、まだ見てないや。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.10

ウルころ

ulcoro.jpg
 正確には昨日のことです。家内と長女が蔦屋に行くというので、前々から見たかった「ウルトラマンコスモスvsウルトラマンジャスティス」を借りてきてもらおうと思ったところ、なぜかこれと一緒に帰ってきました。
 ウチの娘(四歳)は、父親の影響でウルトラシリーズ、特に初代とセブンが大好き。
 最初はゲテモノぢゃないか、と思いましたが、見始めるとそれなりに楽しめました。よく言われることですが、ウルトラシリーズは前出の2作のあと、だんだんとパワーダウンしてゆき、ついに中断、ティガから華々しく復活という流れがありますよね。それがよく分かりました。やはりスタッフの思い入れというのは大切です。
 それにしても、現代になってもウルトラマンたちのバッテリーの性能は上がりませんね。ソニーか三洋に頑張ってもらいましょう。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.09

むすんでひらいて と 社会契約論

imagesff.jpg osusum18.gif
 今日、日曜討論からの流れで、娘とBS「どーもくんワールド」を何となく見ていたのですが、超感覚美少女(たしか準グランプリ)浜谷真理子くんが童謡の「むすんでひらいて」を面白いアレンジで歌っておりました。The Knack風で笑ってしまったのですが、ふと思い出したことがありました。
 「むすんでひらいて」の作曲ってあの、ジャン・ジャック・ルソーなんですよね!
 ラモーと一時期ライバル関係にあったといいますから、もろフランスバロックです。当時流行のオペラバレエを作曲したりしてますから、かなりの才能の持ち主だったことは確かです。
 昔の人は洋の東西を問わず、多才でしたねえ。それが本来のあり方かもしれません。現代は分業しすぎ。ダ・ビンチ、ハーシェル、十返舎一九、平賀源内…みんな偉かった。憧れます。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.08

BSエンターテインメント とことん見せます! 70'S全米ヒットチャート No.1

p050805.jpg
 昨年秋放送されたものの再放送でしたが、何度見てもいいものです。
 この前のkissもそうでしたが、なつかしいだけでなく、本当に新しい発見がたくさんあります。受けとる側の自分も一応は成長しているということでしょうか。それら一つ一つをここに挙げるのは野暮ですし、何しろ個人的なことですから差控えますが、全体に言えば、とにかくメロディーが素晴らしいということです。
 ビートルズももちろん偉大ですが、その後を引き継いだ数多くのミュージシャンの皆さんの偉業も永遠に語り継がれますね。間違いなく。
 当時はあまり好きではなかった曲のメロディーが意外に良かったりしました。例えば写真のビージーズの弟、アンディ・ギブのLove is thicker than waterとか。
 音楽って素晴らしいですね。幸福です。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.07

福田官房長官辞任

yo263249.jpg
 いやあ、驚きましたね。こういう手を打ってきましたか。ほとんど自爆テロです。おっとこれは失言か。特攻隊か。これも失言か。
 まあ、引責割腹というところでしょう。これは政治的戦法としては、大変有力な奥の手ですよね。私は政治には疎いのですが、この辞任が及ぼす影響は察しえます。なぜなら日本人である私の情緒に強く訴えかけるものがあるからです。政治家は皆さん、立派な日本人でいらっしゃるのですから(共産党の方々については知りません)、今ごろ大いに情緒を揺すぶられていることでしょう。
 菅さん!心情お察し申し上げます。福田さんの御一存なのでしょうか。まさか小泉さんの最終兵器ではないですよね。結果としてはそうなるのでしょうけれど。いやはや日本の政治は文学してますね。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.06

郵便ライダー

oxieaecea.jpg
 私が監督した最新のDVDです。一応本当です。昨日の結婚式で上映しました。
 実は教え子に頼まれて、いわゆる「寿ビデオ」を制作したのでした。
 とは言え、私のことですから、まともなものが出来るわけがありません!本人の了解を得て、大いにウケ狙いで行っちゃいました。まあ、即席にしてはいい出来だったと思います…かなりウケてました。
 河口湖郵便局の皆さんごめんなさい。
 編集は父親のiBookを借り、iMovieでやりました。いつもは私のPismoさんでやってますので、今回はかなり快適でした。焼くのは新しくなった職場のPCを利用してみましたが、mpeg2へのエンコードの品質が悪いのか、思ったより画質が悪くがっかり。要研究。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.05

フジヤマミュージアム

osusum4.gif
 近所にできたのは知っていましたが、なかなか行く機会がなかったんですよ。今日ハイランドリゾートで教え子の結婚式に出席したついでに行ってみました。そこにも教え子が勤めていて、本当に久しぶりに再会。
 で、内容ですが、日本画の巨匠の作品を中心になかなか見ごたえ充分でありました(まあ、だいぶ酔っていたので記憶が定かでないのだが…)。
 ただ、現実の富士山一つだけでも自分の身には重すぎるのに、あのように眼前に富士山が大量発生すると、もう完全に私の脳ミソでは処理しきれませんね。やや食傷気味だったかも(シラフじゃもっとキツイだろうなあ)。
 なんとなく印象に残ったのが、意外に写実的だった東山魁夷の富士山。芸能人の富士も謙虚で悪くなかった…と思います。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.04

森洋子さんホームコンサート

osusum7.gif
 最近ご近所に引っ越してこられたチェンバリストの森さん。お知り合いになってから何回かご一緒させてもらっています。
 今日はお引っ越し記念第1回ホームコンサートでした。
 ハッキリ言って私は森さんの演奏が好きです。森さん自身はとても柔軟なお考えの持ち主(私と共演してくれるだけでも充分柔軟だあ)。いろいろ実験的なことにも挑戦されていますが、今夜の演奏は実に堅実。最近良くある奇を衒った演奏とは対極にあります。その場限りの興奮や感動ではなく、普遍性のある演奏でした。
 個人的にはフローベルガーが心にしみましたね。
 バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番のチェンバロ編曲版…和声や隠れていたバスなど、いろいろ勉強になりました。久しぶりに弾いてみようかなあ。逡巡…。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.03

千住博 「聚光院伊東別院襖絵」

0503.jpg
 つのだ兄弟もすごいが、千住兄弟(含む妹)もすごいですな。
 前夜のKISSの興奮さめやらない私の、その興奮を実にうまい具合にクールダウンしてくれました。
 なるほど、滝の絵ってのは、描くんじゃなくて、紙面に滝を現出させていたんですね。どうりでエネルギーの方向感がリアルだと思った!まずはそんな手法に驚嘆。
 そして、これは当たり前かもしれませんが、作品の向かう千住さんの深いまなざし。とても私はあんな目はできません。狩野永徳の花鳥図を見る目も印象的でしたね。
 千住さんが天才かどうかはわかりませんが、相当の才能の持ち主であることは確か。彼は、天才が24歳で描いてしまった花鳥図をどういう気持ちで眺めたのでしょうか。
 凡人にはわかりませんね…トホホ。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.02

NHKアーカイブス ヤングミュージックショー「KISS」

0502.jpg
 いやあ、すごいすごい。青春が甦る!というより、純粋に素晴らしいパフォーマンスに感動したあ!
 う〜む。伝統芸能ねえ。さすが大槻ケンヂ君、いいこと言いますね。私も全く同感です。今見るとホントに様式美すら感じさせるほど完成してますな。やっぱりエンターテインメントに徹してこそプロですよ。
 そして、演奏もとっても上手でした。
 もうすぐ来日ですが、しっかり伝統芸能継承してるんでしょうな。それにしてもジーンとポールって何歳?自分も頑張らなくちゃとつくづく思いました。
 それからそれから、加賀美アナとKISSは意外にもマッチしてましたねえ。
 録画しなかった自分を責めてます。
 そういえば裏ではピンクフロイドやってたんですよね。恐るべしNHK。

不二草紙に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2004年4月 | トップページ | 2004年6月 »