キース・ジャレット 『Book of Ways』
現代屈指の天才音楽家、いちおう肩書きはジャズピアニストとしておきましょう、キース・ジャレットの二枚組アルバムです。
キースはあまりにも多くの名盤を残していますが、その中でもマニアック度No.1、内容的にも私が最も好きなのがこれです。
キース・ジャレット先生、ここではなんとクラヴィコードを使ってインプロヴィゼーションを繰り広げています。それも3台のクラヴィコードを並べ、1台は弾かずに共鳴用として使い、あとの2台を同時に弾いています。私もクラヴィコードが大好きで、知人の家に行くといつも弾かせてもらっていましたが、あの楽器はハッキリ言って自分にしか音が聞こえません。それほど小音量なのです。ところが、だからこそ自分の耳が研ぎ澄まされ、楽器からの振動を受け取る指先までが敏感になって、他では絶対に味わえない不思議な感覚に包まれるのです。まさに音楽と自分が小さな宇宙を作り出す…そんなところが、内省的な即興を得意とするキースにはぴったりです。
それにしても、この即興曲たちの充実度は何なんでしょう。バロック風あり、ジャズ風あり、民族音楽風あり、とんでもない才能の持ち主ですね。本当に隠れた名盤です。絶対におススメ。
Amazon Jarrett: Book of Ways
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